オーブンのクセを習得! 「焼成」がパン作り最後のポイントです

パン

何だか見本の写真よりだいぶ黒いんですけど・・。

シンガポールに来て最初に作った食パンをみた感想。
何せ、食パンは型に入っているので外からでは焼き色がわかりません。

そんなパンを焼く時でも、自分のオーブンを知っていれば、焼きで失敗することは少なくなります。
長い時間をかけて健気(?)に二次発酵まで終了したパン生地が、オーブンから出てきたら、あららら?では、悲しいです。

オーブンの適正温度を知るには、とにかくデータを取って何度か焼いてみる・・その一言に尽きます。

 

パンの最終工程「焼成」
「焼成」前後を含む注意点についてです。

オーブンのクセを知る

シンガポールでも、張り切ってパンを焼くつもりでした。
が、オーブンの使い方がわかりません。説明書も見当たらないし。

温度設定と時間のつまみはいいとして、問題はオーブンのモード選択です。
結局、ネットでオーブンのメーカー名と型番で検索し、見つけたマニュアルから、パンに適したモードがわかりました。

それにしても、本当にインターネット様様です。

パン作りのレシピ本には、オーブンの目安となる設定温度と焼き時間が載っていますが、必ず、「ご家庭のオーブンによります」などの表現も同時にされています。

各オーブンで違いがあるので、レシピの時間通りだからと安心せずに、自分の目でまずは確認です。

パンの焼き工程

パン作りの最後の工程、焼きのことを「焼成」と言います。

「焼成」は、パン作り最後の重要ポイントです。
基本の考えとしては、

高温で焼く → パンに色がつきやすく、早い時間に焼き上がる
低温で焼く → パンの色は白っぽく、焼き時間がかかる

このどちらかなので、自分の好みに応じて焼く温度と時間を調整します。

その前に、自分の使うオーブンのクセは掴んでおく必要があります。

焼成直前に行う作業

焼成前に行う作業として、以下のようなものがあります。

  • とき卵を塗る
    熱による表面の乾きを遅らせパンに艶を与える
  • 霧を吹く / オーブンにスチームを入れる
    熱による表面の渇きを遅らせパンのボリュームを出す
    フランスパンなど、ハード系のパンで使う手法です。
    パンの焼きはじめはまだイーストが活動しています。パンの中心部分が60°C程度までは、イーストが生きているので、霧を吹くことで、庫内の温度の上昇を抑え、イーストの生存時間を少しでも長くします。
  • クープ / 切り込みを入れる
    生地にガスの通り道を作り、パンを均一に膨らませる
    クープが入っていないと、生地の弱い部分がガスの抜け道となり、パンがまちまちの形となってしまいます。

これらの、パンをオーブンに入れる直前作業で、様々な表情を出します。

焼成

同じパンでも、焼く時間や温度は以下の条件で異なってきます。

・使うオーブン
・生地のサイズ

オーブンには、

  • ガス / 電気
  • 業務用 / 家庭用

と、いくつか種類があります。

 

同じ家庭用の電気オーブンでも同じとは限りません。
なので、綺麗な見た目のパンを作るには、自分のオーブンを知ることは大切です。

また、熱の通り方もそれぞれなので、場所による焼け具合の違いがわかれば、焼成の途中で天板の向きを変えます(トップ画像のバターロール、右上の方が色が濃くなっています。うちのオーブンは、庫内の右奥が一番熱が高くなるようなので、いちど天板をひっくり返した方が均一なパンができますね。自宅用なのでそのまま焼いていますが。)

生地のサイズによる焼成時間の違いは、以下の時間を目安にします。(油脂や糖分が含まれたパンのケース)

・小型(40〜50g)で10分程度
・中型(150〜200g)で20分程度
を使ったパンで30分程度

砂糖が入ったパンはカラメル化により、茶色に色づきやすいので、フランスパンなどと比較すると焼成温度は低く設定します。

焼成直後に行う作業

パンが焼き上がったら、天板から網に移します。
余熱でパンの底に余分な熱が加わり、硬くなるのを防ぐためです。

パン屋さんではクーラーラックに載せていますね。

 

他に、気をつけないといけないのが、型を使ったパンの場合です。

食パンのケーブイン(腰折れ)

と言って、食パンのサイドが内側に凹んでしまうことがあります。
パンの中の水蒸気が逃げ場を失い、パンが水分を含み支えられなくなってしまった状態です。

食パンなどの型を使うパンの場合は、オーブンから出した直後に、型に入ったまま作業台の上に落としてショックを与えます
ショックを与えることで、パンの中の気泡のうち、弱い気泡壁が壊れ一つのしっかりした気泡となります。その気泡は、パン生地が水蒸気で軟化しても、形を保てる気泡です。

食パン専門店で、作業場からドスンドスンと音がしたら、パンが焼き上がったタイミングに違いありません。

ホームベーカリーでパンを焼いた時も同じ現象になることがあるので、焼き上がったら素早くホームベーカリー から取り出し、タオルや布巾を引いたまな板の上などに上から落としてショックを与え、素早く型から取り出します。

うちの場合は

シンガポールに来て、食パンを何度か焼いていますが、こんな感じで適切な温度を探りました。

一回目:200°Cで余熱 190°Cで30分加熱
二回目:190°Cで余熱 190°Cで30分加熱
三回目:190°Cで余熱 180°Cで25分加熱
四回目:180°Cで余熱 170°Cで28分加熱 ⭐️

ということで、以前のオープンと同じ設定の一回目から始まり、四回目で良さそうな温度と時間を見つけました。

この目安ができると、他のパンも同様に、食パンを作るときの温度から換算し、自分の温度と時間を決めれます。

自分のオーブンを知るには、データをしっかり取り、試行錯誤するしか無いんです。

(三回目:まだちょっと茶色っぽいです↑)

(四回目:今後はこの焼き色で↑)

今、家での「焼成」で問題があるとすれば、時間と温度の設定が電子じゃないということです。

ダイヤルで、何となくその辺の温度、その辺の時間・・でやっています。

時間は別のタイマーを利用しているので問題ないのですが、温度はいつも利き目で見てここに違いないと思うところに、ダイヤルをセットして利用しています。

こんなに気を遣って温度を探っているけど、結局その温度を設定できているかはあやふやなので、何だか矛盾しているな〜と思いながら、170°Cにセットして使っています。

 

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