食パンを焼くのに、実家から持ってきたパン型を使っています。
レシピと同じサイズの型であればいいのですが、違うサイズの場合、どのくらいの粉の量でパンを作ったらいいのでしょう・・
そんな時は、「型生地比容積」を使って、自分の型にあった分量を計算することができるんです。
レシピと手持ちの型の大きさが違う
この食パンの型、驚くほど昔から使っているのですが、
レシピ本のサイズより大きいみたい・・。
レシピ通りの分量では、綺麗な食パンにならない!
食パンを作るときに、型のサイズに合った生地量でないと、どうなるのでしょう。
- 生地量が少ない
角が無く、フワフワ(柔らかい)した食パン - 生地量が多い
角が鋭く、みっしり(きめが細かい)した食パン
見た目や食感に違いが生まれますが、少しの違いは失敗・・というわけではなさそう。
その後の判断は、食べる人の好みに委ねられます。
「型生地比容積」計算式で解決
そうは言っても、一般的に言われている目安の数字はあります。
型にどのくらいの量の生地を入れれば、その型で適正なパンのボリュームが出せるか
使用する型の容積を、生地の重量で割った値です。
一般的には、食パンなら
3.8 〜 4.0
などと言われています。
私のパン・ド・ミのレシピを見ながら確認してみます。
型の容積: 2000ml
生地重量: 170g✖️3 = 510g
2000 ÷ 510 = 3.9(型生地比容積)
3.9 の型生地比容積になりました。
この比率で、1斤の食パン型(1600ml)を使う時は、
1600 ÷ 3.9 = 410g(生地重量)
410g の生地が必要となります。
型の容積と粉の分量を知るには
型生地比容積の求め方がわかりました。
では、その値を見つけるための型の容積と、計算した生地の重さから実際に必要な、粉の分量を知るには、どうしたらいいでしょう。
型の容積
型の容積は購入時の商品説明に書いてあれば、それを使うのが手間なしです。
でも、そんなの捨ててしまった!という場合には、
- 型のサイズから計算する
パン型はわずかですが、台形になっているものが多いです。
「(縦の上辺+底辺)÷2 ✖️(横の上辺+底辺)÷2 ✖️高さ」を簡易計算式で使います。 - 水を入れてその重さを計る
型いっぱいに水を入れ、その重さを計ります。
それぞれの方法で、型の容積を求めることができます。
粉の分量を求める
「型生地比容積」を使い、生地の重さを計算、そこから逆算して、実際に使用する粉の分量を求めたいです。
生地の重さは、使用する材料の重さの合計でもあります。(プレーンなパンの場合)
パンの種類によって若干の違いはあるものの、粉とそれ以外の材料の割合は、
1(粉)対 0.8(粉以外)
であることが多いです。
このことから、生地重量を 1.8 で割った数字を、粉の重さの目安にします。
粉の分量がわかれば、あとはベーカーズパーセントを使って、他の材料の分量を計算することができます。
ベーカーズパーセントについてはこちら:
先ほどのパン・ド・ミで、粉の分量も確認してみましょう。
パン・ド・ミで使用した生地重量は510g。
510 ÷ 1.8 = 283g(粉の重量)
2000mlの容器で、3.9 の型生地比容積のパンを作るために必要な粉の分量は、283gとなりました。
実際には、ベーカーズパーセント計算のために、300gの粉を使ったのでした。
食パンの他に、小さな丸パンも出来上がります。
実際の違いについて
パン・ド・ミは、「型生地比容積」3.9 で作りました。
容器に対して生地量が少ない場合はこの数字は大きく、生地量が多い場合は小さくなります。
私が作ったパンをみると、角に隙間があるので、生地量を少し多くしてもいいかもしれません。
(原因は、発酵不足なども考えられます)
170gに分割した生地3つを型に入れて焼きましたが、次に焼くときには、175gにしてみようと思います。
2000ml ÷ 525g で、3.8 の「型生地比容積」で作ることになります。(生地量は多く、型生地比容積は小さくなりました)
実家からもらってきた食パン型。
かなり年季の入った型ですが、型生地比容積を知ることで、無事に使うことができました。
パンの焼き型は、使い込んだ方が型離れしやすいらしいので、良いことばかりです。