数年前から始まった、食パンブーム。
私が最初に食べたのは、俺のベーカリーの食パン。
焼かずにそのまま。使う材料はこだわりのもの。
粉の風味とほのかな甘味で、耳まで美味しく食べました。
ただ、毎日食べるには、金額と利便性の問題が。
でも大丈夫。
普通の材料でだって、美味しい食パンが作れるんです。
これから紹介する食パンも、ソフトで耳まで美味しくて、なかなか良いです♪
材料 2000ml容器
- 強力粉 250g(80%)
- 中力粉* 50g(20%)
- 塩 6g(2%)
- 砂糖 24g(8%)
- イースト 3.6g(1.2%)
- スキムミルク 12g(4%)
- 水 210g(70%)
- 無塩バター 15g(5%)
- ショートニング 15g(5%)
* フランスパン粉。無ければ、強力粉50gでもOK。
作り方
◉こね
1.油脂(バターとショートニング)以外の材料を合わせ、コネ開始
(ブラウンシュガーを使っています)
2.しばらくこねた後、油脂を加えさらにこねる
(両手で引っ張った生地が薄く幕をはったように伸びればOK)
◉一次発酵
3.出来上がった生地は、乾燥しないようにして、暖かいところに(30°C、40分〜)置く
4.発酵確認(フィンガーテスト)
ふくらんだ生地の真ん中に粉をつけた指を差してみて、穴が塞がったり(発酵不足)、生地がしぼんだり(過発酵)しないことを確認
◉成形
5.170gづつに、生地を分割する(3つに分割 + 小さい丸パンひとつ分)
6.軽く丸めてベンチタイム(10分)
7.綺麗な面を下にして、綿棒で伸ばす。(四角く伸ばす方がいいです)
8.3分の1を内側にたたみ、反対側も同じようにたたみ、長方形にする
9.長方形の生地を、ローラーを使って少し伸ばす
10.端からくるくる巻き、最後はしっかり閉じる(型の横幅に入る大きさ)
11.型の片側に寄せて置く
◉二次発酵
12.型の7分目程度まで発酵したら、蓋を閉める
◉焼成
13.オーブンへ。180度で余熱170度で28分焼く
14.焼き上がったら、腰折れ防止の為、型ごと台へドスンと落す(タオルを引いておきます)
15.型から出してラックで冷ます
型に入れて焼いているので、小さな気泡です。
小麦粉の種類って?
今回のレシピでは、小麦粉は強力粉と中力粉を使っています。
わざわざ違うものを、使う必要があるのでしょうか?
強力粉と中力粉、何が違うの?
中力粉はあまり耳にしないかもしれませんが、強力粉と薄力粉は聞いたことがあると思います。
一体、何が違うのでしょう?
ずばり、小麦粉に含まれるタンパク質量です。
粉 |
タンパク質含有量 |
用途 |
強力粉 |
12%以上 |
パン、ピザ、打ち粉 |
中力粉 |
9%前後 |
うどん、たこ焼き、フランスパン |
薄力粉 |
8.5%以下 |
お菓子、天ぷら、ムニエル |
(今回使った強力粉。タンパク質量13.1)
粉に含まれるタンパク質とは、グルテンの量のことなので、
グルテンで出来た膜にイーストの出すガスを溜めて、膨らませる → 強力粉
ベーキングパウダーを使って、膨らませる → 薄力粉
と、グルテンが必要かどうかで、粉の種類を使い分ける必要が出てくるのです。
タンパク質量は何で違うの?
では、タンパク質量はどうして違ってくるのでしょう?
これは、小麦粉の種類です。
国産の小麦粉の内、タンパク質量が多いものは、全体から見ると生産割合は少なく、自ずと流通量も少ないです。
国産の小麦粉の多くは中力粉。そう、うどんに適した粉なのです。
大手パンメーカーのように、大量のパンを同じ品質で作る為には、安定した品質で大量の小麦を輸入することは必須となります。
粉の見た目に違いがあるの?
小麦粉の種類を、見ただけで判断するのは、ちょっと難しいです。
でも、強力粉と薄力粉なら、触れば違いがわかるんです。
強力粉で使われる小麦は硬質小麦です。
小麦が硬いので、粉にした時、小さな粒子にするのは難しいので、粒子が大きくなります。
一方、薄力粉は軟質小麦。
柔らかい小麦なので、粒子も細かくなります。
粒子の大きさで違いが出るのは、粉の手触りなんです。
粉を握ると、薄力粉は塊になりますが、強力粉はサラサラして、塊にはなりづらいんです。
パン作りのレシピに、「粉をふるいにかける」と書かれているものはあまり無いと思います。(量が多い場合などは、泡立て器で軽く混ぜたりします)
薄力粉を使ったお菓子作りのレシピでは、必ず「粉をふるいにかける」と出てきます。
固まりやすい薄力粉は、使う前にふるいにかけることで、ダマになるのを防ぐ目的があり、重要な手順です。
それぞれの粉の粒子の違いが、作業工程の違いに出ます。
粒子の大小の違いによる例えに、粒の大きなザラメはパラパラだけど、細かい上白糖は固まりやすい・・と書かれているものがありました。
イメージし易いかしら!?

粒子が細かい薄力粉は、ムニエルにも使いますよ。
今回の食パンですが、食パンの外側は薄く、内側の柔らかい部分を楽しむパンになっています。
より柔らかい食感にする為に、少し中力粉を加えています。
シンガポールの外気温は30度、湿度は70%以上。
今日も、自分の作業に間違いが無ければ、いいパンが焼けるはずです。