適切な温度はパン作りを成功に導きます!
パン作りのそれぞれの工程で、必要な温度管理があるんです。
その、温度管理のポイントを、これまでの経験も踏まえ、まとめてみました。
パン作りの大切な温度とは・・・、
室温・コネ上げ温度・発酵温度・焼き温度
大きくはこの4つです。
まずは室温
パン作りを始める時には、必ず湿度と室温を確認します。
湿度は、材料の水分量と生地の乾燥に影響するので、パン作りの前に確認します。
(湿度が高ければ(70%とか)、乾燥にそれほど気を使わずとも大丈夫です。)
そして、室温です。
パン作りに適した季節は、イースト菌が活動しやすい温度(25°C〜35°C)、春から秋の間です。
パンが膨らむためには、イースト菌の活動が必須ですので、イーストに快適な温度環境を作ります。
室温のコントロールは、冷暖房器具任せとなりますが、25°C以上あるのが理想です。
そして、室温はその次の工程、コネの作業にも影響します。
コネ上げ温度
次に温度確認が必要なのは、コネあがった時の生地温(コネ上げ温度)です。
コネ上げ温度が違えば、次の一次発酵の時間に影響があります。
低ければ、レシピ本に書いてある通りの時間では発酵不足、高いと過発酵になってしまうため、予定の時間より短い発酵時間とします。
基本のコネ上げ温度は26°C前後。(1、2°の前後なら影響はありません)
コネ上げ温度が決まる要素は、
- 室温
- 水温
- 粉温
- 捏ねによる生地の温度上昇(通常だと6°〜7°C程度)
です。
そのため、生地をコネ始める前に、室温と粉温を測り、そこから水温を調整することで、理想とするコネ上げ温度になります。
コネ上げ温度の計算式です。
数字を入れて見てみます。
粉温が10°で、室温は24°の場合、水温が27°ならば、コネ上げは理想の温度に。
水温を求める計算式です。
摩擦による生地の温度上昇は、使う道具・生地の分量などにより変わってくるので、目安値でしかありません。
摩擦による生地の温度上昇値(摩擦係数)については、その値を求める計算式もあり、その摩擦係数を利用した方が、より実際値に近いものとなります。
私は、めんどくさがりなのもあり、
家庭で作るパンだし、それほど厳密で無くとも・・
と思ってやっています。
シンガポールは一年中同じような環境なので、冷蔵庫から出したての粉、常温の水、扇風機の回る室内での作業で個々の温度を気にせずに、やっています。
そうは言っても、
- 冷蔵庫から出したての牛乳を使う時は、一次発酵の時間を長めにする
- 日本の冬場、室温が低い場合は水温を高めにしたり、一次発酵の時間を長めにする
などの対応をしています。
これから使おうとしている、粉・牛乳・バター・卵などの温度は低いですか?
発酵温度
パンを発酵させるタイミングは二回。
生地を捏ねた直後の一次発酵のタイミングと、生地を成形し最終となる発酵の二次発酵。
一次発酵では、イースト菌の活動し易い、28°〜30°の場所に生地を置き発酵させます。
発酵過程で、パンに風味が付き、しっかりしたグルテンが形成されていきます。
二次発酵は、最終的なパンがほぼ形作られるタイミングです。
焼成時に、パンのボリュームを出すための発酵です。
一次発酵よりも少し高い温度、35°程度で発酵させます。
温度は目安です。
あくまでも発酵後の生地の状態が、発酵終了の合図なので、
- 温度が低い場合は、長い時間
- 温度が高めなら、短い時間
と時間を調整し、パンの様子を自分の目でしっかり見極めて、次の工程へ進みましょう。
焼き温度
これも言わずもがな。
以前、「焼成」について投稿していますが、
- 生地のタイプ(ソフトな生地:砂糖やバターが入ったもの、ハードな生地:フランスパンなど)
- 大きさ
- 形状(丸型、棒状、平べったいなど)
などで、焼きの温度は変わります。
また、家庭で作るのが難しいと言われるフランスパン。
砂糖やバターが入っておらず、小麦色をつけるのには、高温で焼く必要があるのです。
家庭用のオーブンで、230°や240°もの高温をキープできるものはそれほど多く無いので、それが難しいと言われる所以でもあります。
レシピに書かれた温度と時間を参考に、最後は、自分の使うオーブンでの最適温度を見つけます。
各工程での温度調整を上手に行って、納得のパンを目指しましょう!!