「フラワーアレンジメントについて知ろう!」の第2回目、スタイルについてです。
ここで言う、「スタイル」はフランス式に当たる部分のことです。
フラワーアレンジメントでは、「スタイル」または「式」とアレンジにその国の名をつけて、区別することがあります。いけばなで言うと、流派みたいなものでしょうか。
実は、フラワーアレンジの場合、「スタイル」に明確な定義は無いと思っています。
ただ、花使いやアレンジの形には、それぞれの国の文化を背景とする感性や性質などが現れるので、それを「〜式」と呼び、作り手が差別化するのに使っていると考えます。
私がレッスンを受けているのは、パリで花の技術を学んだ先生による、フランス式フラワーアレンジメントです。フランス式の他には、イギリス式・ドイツ式・オランダ式・アメリカ式(ニューヨークスタイル)などがあるんです。
フラワーアレンジメントのスタイルとは?
「スタイル」は、決定的な違いはあるものの、いけばなの流派に近いと捉えるのが、分かりやすいかもしれません。
流派について言えば、生け方のスタイルにそれぞれの特徴があり、その特徴は教えの中に明確に存在します。
一方、フラワーアレンジメントのスタイルについては、そのスタイルの中に明確な定義があるか・・と言うとそうではありません。教える先生の感性や嗜好に影響される部分が大きいと思います。
その感性や嗜好は、各国の文化や歴史に触れることによって磨かれ育ってきたものであり、それぞれの作品で表現されます。
つまり、どこの国で学んだ花の技術か = スタイル ( 式)と考えるのが、最もしっくりくると思います。
「フランス式」って何?
私が学んでいるのは、フランス式のフラワーアレンジです。
私が考える「フランス式」の特徴とは、
・グリーン(葉)使い
・リボン使い
大きくはこの三つにある、と思っています。
「色使い」
花に限らず、パリの街での色使いは、おしゃれで斬新!と思ったものです。
昔、お花のレッスン受講者みんなで、パリの感性に触れる旅(?)へ出かけました。四捨五入すれば20年近く前のこと。
カジュアルなレストランの紙ナプキンは、互い違いで紺色と黄色が組み合わされ、ウィンドウショッピングで見たバックの色使いの素敵なこと! 反対色を使ったカラフルな色の組み合わせでした。
そんな感性が花にも現れているのだと思います。
パリに春の訪れを知らせる黄色のミモザ、香りが良く優しい色合いのライラック。秋になると、シャンゼリゼのマロニエ並木は黄色に色づき、その落ち葉は地面を茶色で覆います。色彩が豊です。
アレンジメントでは、引き締め役になるボルドー色のスカビオサやチョコレートコスモス、明るさが目を引くフューシャピンクのバラなど、サブとなる花にも役割を与え作品が完成します。淡い色合いのものから、コントラストのはっきりしたものまで、組み合わせの妙はフランスならではと思うのです。
「グリーン(葉)使い」
「葉」の使い方にも驚きました。
パリの感性に触れる旅では、フラワーアレンジの体験レッスンも受けました。
その時です。
ワイヤーやホッチキスを使って葉の形を変形させ器として使ったのです。
その時、こうあるべきと言うものはなく、発想を自由にしてアレンジに生かすことだと理解しました。
(デモンストレーションでは、百合の花を器に見立てて、その中に水を入れていました・・)
グリーンは、アレンジの雰囲気を変える要素の一つですが、より効果を出すために加工します。
葉の使い方に関しては、どこへ行ってもその使い方は秀逸でした。
ショップのインテリアとして大きなニューサイランが一枚飾られていたのも、とてもスタイリッシュで新鮮でした。20年近くも前の日本では、見たことなかったです。
「リボン使い」
フラワーアレンジを素敵に見せるアイテムの一つに、「リボン」があります。
リボンでループを作り、それを花の間に差し込んだり、太くて存在感のあるリボンそのものを、アレンジの中に組み込んだりするのです。
花束やブーケについている豪華なリボンにも名前があります。
「フレンチボウ」
その名の由来は分かりませんが、「フレンチ」とつくからには、フランス由来なのでしょう。
アレンジに華やかさを添えるリボンは、自然の花には無い色合いや質感を与えてくれると同時に、フランス式のフラワーアレンジで使われるテクニックの一つでは無いかと思います。
フランス式以外のスタイルについて
フランス式意外のスタイルについては、私自身に経験が無いので、写真で目にしたアレンジや、一般的に言われていることからまとめてみました。
イギリス式
イギリスで花から連想されるのは、イングリッシュガーデンでしょう。
バラの花を筆頭にハーブやグリーンを、自然の景色に近づけるように植えられます。
まさに、アレンジにもそのスタイルが現れていると思います。グリーンを豊富に使い、自然体で合わせます。
オランダ式・ドイツ式
ドイツでは、フローリスト育成の教育システムが整っています。ドイツ人の合理的で堅実な性質を表しているのか、アレンジのテクニックも誰でもが理論から学べ、制作技術を身につけるシステムが整っています。
形の整ったアレンジになることでしょう。
オランダでも、フローリストになるには、国に認定されたフラワーアレンジ技術認定の資格取得が重要視されているようです。
つまり、基本の技術が確立されており、しっかりとしたアレンジ技術のもとに作られる花であることがわかります。
オランダについて言えば、世界の花流通の6割を占めると言われています。
元々は生産国として国が花の栽培に力を注いできましたが、安い労働力やより栽培に適した土地での生産が増え、今では生産国ではなく流通国としての地位を築いています。
オランダにあるアールスメール花市場は世界最大の花市場と言われており、空港までの距離も近く、またIT化の導入で、世界の花流通を担う条件を備えている国なのです。
ニューヨーク式
ニューヨーク(アメリカ)スタイルのアレンジを一言で表すと、モダンでしょうか。
何に驚くって、黒いリボンをアレンジで使っているのを見た時です。カラーの長い茎に合わせ、リボン結びにした黒の光沢のあるリボンが・・・、常識に囚われない現代的なアレンジです。
また、生け方では、オアシス(吸水性スポンジ)より、投げ入れ(花瓶にそのまま挿してアレンジする)の方が好まれるようです。
パリの花屋さんで
そう言えば、パリの花屋さんのディスプレイでも衝撃を受けたのでした。
それは、「胡蝶蘭」。
日本で胡蝶蘭と言えば、お祝い事で目にする鉢植えの花。その花は茎一本1万円と言われたりしているが故に高価な花の認識です。それがなんと・・
「切り花」として飾られていたのです!!
切り花は鉢植えに比べると、どうしても寿命が短くなります。
そんな高価な花を惜しげ無く使うところが、生活と花が密着しているようで、うらやましく思ったのでした。
次は、「フラワーアレンジメントの素材(花の種類)」についてです。
フラワーアレンジメントで使う花ですが、生花(せいか)だけではありません。ドライフラワーや作り物の花だって使います。その中の、プリザーブドフラワーがなんなのか?と言うことにも触れたいと思います。
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