「フラワーアレンジメントについて知ろう!」第3回目、素材(花の種類)についてです。
フラワーアレンジメント = 生花(せいか)が必ずしも、ではありません。
ドライフラワーやシルクフラワー(アーティフィシャルフラワー / 造花)など、使う素材は沢山あります。
それぞれの素材の特徴についての基本的な事、そして、特に人気のあるプリザーブドフラワーについて詳しくみていきます。
最後に、アレンジを楽しんだ後の「捨て時」についても私の考えを。
素材と特徴
フラワーアレンジメントを作る素材としては、
・ドライフラワー
・シルクフラワー(アーティフィシャルフラワー / 造花)
・プリザーブドフラワー
などが一般的です。
これらの素材による違いは、まずは楽しめる期間です。
素材 |
楽しめる期間(目安) |
手入れの方法 |
生花 |
3~10日 |
水の交換/補充 |
ドライフラワー |
半年~1年(2年) |
特になし |
シルクフラワー |
10年以上 |
特になし |
プリザーブドフラワー |
2~3年 |
特になし |
*手入れの方法、特になしは、時々埃をはらう程度のメンテナンスは必要です。
どの花も、直射日光や湿気は避けて飾るのが長持ちさせる秘訣です。
それぞれの特徴を簡単にまとめます。
生き物(?)です。今この時にしかない花の表情や香りを感じながら楽しめるのは至福です。
【ドライフラワー】
本物の植物でありながら長く楽しめること、そして、その素朴でナチュラルな雰囲気が好きな人も多いです。生花を乾燥させて、花の水分をなくすことでドライフラワーが出来上がります。乾燥剤を使うこともありますが、風通しの良い場所に吊るしておくだけで出来上がります。
生花と同等の色合いを保たせることは難しく、また、花の種類によってドライフラワー向きとそうでないものとがあります。
【シルクフラワー】
値段が低く抑えられます。どの素材よりも長持ちし、自然に存在しない色合いなども楽しめます。また、最近では造花の技術レベルもとても高くて、本物と見分けがつかない時も。扱いにもそれほど注意が必要ないことも需要がある要因でしょう。そして、茎にワイヤーが使われている場合には、形を自由に出来るところも大胆なデザインを実現できます。
海外ウェディングで現地の様子がわからない・・など不安なことがあれば、シルクフラワーで作ったブーケを日本から準備するのも、一つの案です。
【プリザーブドフラワー】
生花の質感がありながら、長い間楽しむことが出来る花です。本物の花から作られますが、こちらもシルクフラワー同様、自然にはない色の花を作ることが可能です。プリザーブドフラワーについては、次の章でもう少し詳しく。
プリザーブドフラワー
プリザーブドフラワーの人気は続いていますが、そもそもどんなお花なのでしょう。
プリザーブドフラワーは20年ほど前に、フランスの会社で開発されました。
生花を特殊溶液に浸けて加工したもので、生花に近い触感でありながら、その名が英語の「Preserve」(=保存する)から来ている通り、長期保存が可能なお花です。
当初は、永久に持つ花としてフランスで広がり始めましたが、湿気に弱い性質を持つことから、湿度の高い日本では半永久というよりは数年の間楽しめる花として定着しています。
湿気や直射日光を避け適切な環境下ならば、もっと長い単位で楽しむことも出来ます。
プリザーブドフラワーはバラが主流
プリザーブドで使われる花は、バラが圧倒的に多いです。
花弁が厚くしっかりしている事から、製作工程に耐えうるのが主な理由です。
近年では、バラ以外でもプリザーブドフラワーとして次々と開発が進んでいます。
菊やダリア、カラーにガーベラ、ひまわりなどもプリザーブドフラワーとして販売されています。
バラの生産地は赤道直下
プリザーブドフラワーはバラが主流と書きました。
それらのバラはどこからやってきているかというと・・、エクアドル、ケニア、コロンビアなどからなのです!
赤道直下の国々で、標高は2,000m以上。バラの花の育成には気温差と日射量が重要で、そのどちらをも満たす国々です。エチオピアでもバラが栽培されています。
Verdissimo :ヴェルディッシモ
Vermont :ヴェルモント
Florever :フロールエバー
使うのは花首だけ
プリザーブドフラワーは、特殊な溶液につけて作ります。
そのため、プリザーブドフラワーは実は花首だけで販売されています。その為、高さや幅のあるアレンジを作るには限界があります。
お花屋さんに置いてあるものを見かけたこともあると思いますが、茎が見えるようなアレンジはほぼ無いと思います。花ばかりで構成されるので、豪華にも見えますね。(プリザーブド用の茎も開発されています。)
お値段も立派です
値段は、おおよそ生花の3倍ぐらいでしょうか。
楽しめる期間は生花と比較するとそれ以上なので、コストパフォーマンスを考えれば納得のお花です。
記念に残る花を考えている場合には、最適です。
アレンジと「さよなら」するタイミング
生花以外の花についての話になります。
保存状態が良ければ、「この花、10年は経っているんじゃない?・・」なんてことも💦。
そのアレンジメントが好きであれば、どうぞ引き続き大切にしてください。
一方、もう充分楽しんだと思えたら、それは「さよなら」して良いタイミングです。長いこと楽しませてくれてありがとうと、自治体のゴミ処分ルールに従い処分します。
(スミザーズオアシス社の吸水性スポンジは、可燃ゴミとして処分が可能です。)
飾る人の好みや用途に合わせ、シチュエーションに合った素材を選択するのが一番賢い方法なのかと思います。
最後の回は「フラワーアレンジメントのデザイン」についてです。
フランス式フラワーアレンジメントの基礎となる部分です。以前書いた「秋のラディエイティングはプレゼント」の「ピーコックスタイル」もデザインの一つです。