シンガポールの現在(2021/4/30)の、コロナ感染者の状況です。
Bloombergが発表した、4月の「世界で最も安全な国・地域の番付:COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」で、シンガポールは1位でした。
直近では市内での感染者が増加傾向にありますが、シンガポール政府の対応は、ここまでやるのか、というぐらい素早くて徹底しているという印象です。
ただ、ワクチン接種済のケースで陽性判定のケースも出てきていて、マスク・手洗いは引き続きやって行くことなんだと、改めて思ったのでした。
シンガポールのコロナ感染の状況
シンガポールでは、入国者に対し、2週間の強制隔離を実施しています。
隔離期間後半にPCRテストを実施し、陰性だった人のみ強制隔離を解かれ、国内で自由に生活出来るようになります。
シンガポール保健省(MOH)が発表する毎日の市中感染者数は、これまでは、ほぼゼロ。
感染者が出たとしても、基本は海外からの入国者が、強制隔離期間中の検査で、陽性と判定されたケースがほとんどです。また、市内での発症者がいても、濃厚接触者の特定などは早い段階で対応できている状態が続いていました。
世界的な第4波の到来
感染力の強い変異種の登場で、インドは感染数急増、世界的に感染の第4波がきています。
そんな中、シンガポールも、これまでとは異った状況となってきたような気がします。
移民労働者が陽性
4月の4週目に、移民労働者に陽性の人が出ました。
サービス業に従事する彼らは、定期的にPCR検査を受けていますが、その検査で陽性となったようです。
陽性となった人は、2回目のワクチン接種をその一週間ほど前にしていたものの、抗体ができる前に(2回目接種から2週間は、コロナに感染するリスクがあります)、感染したと考えられています。
移民労働者といえば、彼らの住居(ドミトリー)で、クラスターが発生し大きな問題になったことがありました。
今回の政府の対応はとても素早く、発症者と同じドミトリーに住む100人以上の人に対して、翌日、翌々日にはPCR検査を実施、その翌日には、250室あるホテルを貸し切り、バス15台に分かれて全員をホテルへ移送、隔離生活を開始しています。
実際に、PCR検査で10人以上の陽性者が出ています。
病院勤務の看護師が陽性
シンガポールの古くからある、公立病院のタントックセンの看護師が陽性となりました。
その翌日には、医師と患者3名にも陽性者が見つかり、1700床以上ある大きな病院ですが、訪問者の病床への入場をすぐに禁止しています。
現在のところでは、この病院での陽性者数は13人となっており、陽性者の出た病棟はロックダウンの状況となっています。また、他の病棟の職員や患者についてもPCRテストを実施する予定です。
(Photo : The Straits Times)
これら以外のケース
これら以外にも、空港職員やワクチン接種済の陽性者(無症状:定期PCR検査で判明)など、以前より明らかに件数が増えています。
けれども、濃厚接触者の特定や隔離までのスピードは驚くほど速いです。
ちなみに、毎日の感染者数発表は数だけでなく、それぞれがどのようなケースか、MOHのサイトで同時に発表されるので、誰でもシンガポールでの陽性者の状況を確認できます。
明らかに、感染者が増加しているのが気になります・・。
コロナ耐性ランキング
Bloombergが毎月出している、世界で最も安全な国・地域の番付「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」で、4月はシンガポールが1位でした。
直近は市内での感染者数が少し増えてきているので、今後はどうなるかわかりませんが、ワクチン接種の割合がこのまま増えれば、上位をキープ出来るかもしれません。
日本は7位。
ワクチン接種率が低いのは気になります。先進国ではダントツで低いです・・。
シンガポールは社会主義国でもあるので、政府が出した方針にみなよく従うという印象です。
また、政府の対応も素早く明確なので、いろいろなことがスムーズに進んでいるように思います。
国民と長期ビザ保有者は、日本のマイナンバーのような、個人に割り振られたID番号で識別されます。
これにより、全ての作業が簡潔にそして、政府は状況把握が素早くできています。
実際に、マスクの配布にしても、ネットで配布場所や在庫状況が確認可能で、実際の入手もID番号のカードをかざすだけでした。(同じID番号で複数枚マスクを受け取ることは出来ない仕組み)
日本もマイナンバーカードが普及したら、様々な事が簡潔に手続きできるようになるんじゃないかと思うのですが、自分にどうメリットがあるのかあまり伝わって来ないので、普及が進んでいませんね。
キャンペーンで普及させるのも良いですが、それも税金では?と思うと、・・言葉もありません・・・。
追記(2021/5/5)
タントックセン病院(TTHS)での、クラスターは広がっています。
5月4日時点の発表では、合計40名の陽性者が出ています。(全ての陽性はその種類が調べられ、再テストでは陰性になったり、抗体に反応したのもであったりとクリティカルなものとそうで無いものの判別も行われているようです)
市中感染の件数の増加に伴い、政府は5月4日にフェーズ2に一部戻るような規制を発表しました。
この規制は、現在のところ5月末までを予定しています。
- 一度に集まれる人数は5人から8人へ
- 職場の出社率を75%から50%へ
- 屋内ジムの閉鎖
- イベント開催の制限厳格化
- 6月1日から予定していたTraceTogatherへの移行を17日からへ前倒し
(これまでのQRコードをスキャンするSafety Entryは不要になる) - シンガポール入国前に必須の14日間隔離(SHN)の期間を21日間へ延長(特定の国を除いて)
シンガポール保健省(MOH)サイト
これ以上の感染拡大が広がらないことを祈ります!!
過去投稿 → シンガポール 経済活動再開の最終段階 フェーズ3へ
過去投稿 → 新型コロナワクチン第一回目接種!(モデルナ)