TraceTogetherの運用が始まりました〜 濃厚接触者追跡アプリ

シンガポール新型コロナ

5月17日より運用が始まっている、TraceTogether(濃厚接触者追跡アプリ)

出かける際には毎回利用するわけですが、スマホやトークンのバッテリー切れには今まで以上に注意したいです。

 

また、市中感染が増えている今、新型コロナへの感染の他に、濃厚接触者となることにも注意が必要です。
濃厚接触者として認識されるのは、

  • 2メータ以内 で
  • 30分以上 行動を共にしているケース のようなので、

お買い物に出かけた時などは、ちょっと意識しておきたいです。

何せ、隔離ですから・・。

導入目的

シンガポールでは、新型コロナが広まり出した当初から、施設(お店、職場、レストラン、美術館や遊園地など建物全て)に入場する際に、入場記録を残すことを施設と利用者に義務付けています。

その仕組みが今月から新しい方式に変わっています。

TraceTogetherというシンガポール政府のIT技術部隊(デジタル庁?:GovTechにより開発されたアプリを使うのです。

 

これは、新型コロナ感染者の濃厚接触者を素早く特定するためのツールで、これの利用により、これまで4日を必要とした濃厚接触者の特定を、1.5 日で可能とします。

利用者は、スマホへのダウンロードによるアプリ設定もしくは、専用のトークンを持ち歩きます。

TraceTogetherを利用した入場記録へ移行する旨のアナウンス

TraceTogether-only SafeEntry

TraceTogetherを使った施設への入場方法は以下の3通り。

  1. TraceTogetherアプリで、施設のQRコードをスキャンして入場記録を提示する
  2. TraceTogetherアプリ、トークンを施設のゲートウェイデバイスにタップする
  3. TraceTogetherトークンのQRコードを施設の機械で読み取ってもらう

6月1日からは、これまでのSingpassでのQRコード読み取りやIDカードのバーコード読み取りでの入場は原則できなくなります。

(バッテリー切れなどによりTraceTogetherが使え無いなど、例外時にはIDカードの読み取りも対応してくれるようです)

濃厚接触者特定の仕組み

そもそも、TraceTogetherでの濃厚接触者を特定する仕組みとは、どんなものなのでしょう。

Bluetooth(ブルートゥース)という無線通信技術を利用して、TraceTogetherアプリ保有者同士がお互いのデータを通信し、その記録を保有することで、接触者の特定を可能とします。

GovTechのTraceTogetherアプリについての記事:
9 geeky myth-busting facts you need to know about TraceTogether

収集されるデータ

データの収集は自動的に行われます。

TraceTogetherアプリの場合は、バックグラウンドで起動しており、Bluetooth設定がONの状態。
TraceTogetherトークンは特に操作は不要です。

どちらも、以下の事が自動的に行われます。

  • 10メータ以内にある他のTraceTogetherアプリと情報を通信し合う(相手のデータを受信/自分のデータを送信)
  • 通信したデータはそれぞれのデバイス(スマホまたはトークン)に蓄積
  • 蓄積データはUserID・開始時刻・有効期限(MAX15分)をTempIDとして暗号化
  • シグナルの強度も合わせて蓄積
  • データの保存期間は25日間(25日過ぎると、自動的に消去される)

データの解析

集積されたデータの解析は以下の通りに行われます。

  • MOH(保険省)からの連絡で、デバイスに蓄積されているデータをMOHのデータベースへアップロード
  • 暗号化されたデータの解読キーはMOHのみが保有している
  • シグナルの強度を判別し、2メータ以内のデータに絞る

濃厚接触者の判定は30分以上の接触となっている過去のニュースがありましたが、直近の資料では時間の明記はなく、新型コロナの感染基準に合った時間帯で判断されるとなっていました。

セキュリティ対策

セキュリティ対策も色々施されているようで、

  • 名前や電話番号は蓄積データには含まれていない
  • UserIDは暗号化されている(解読にはMOHでのみ保有している解読キーが必要)
  • 蓄積データに最長15分の有効期限を設けることで、不正なTempIDの検出を可能とする

など、工夫がなされているようです。

Wikipediaのこの記事も参考にしています。
 :BlueTrace: A privacy-preserving protocol for community-driven contact tracing across borders

 

実際のデータについては、公共機関のデータ保護ルールが適応されており、不正利用や開示をした場合、S$5,000の罰金または、2年以下の懲役の規則が定められています。

TraceTogetherトークンのバッテリー

4〜6ヶ月でバッテリーは切れるらしいです。

バッテリーが正常に作動しているときは緑のランプが点滅。(1分に一度)
点滅しないまたはになっている場合は、バッテリー切れなので、近所のCC(Comunity Center / Club)か大きないくつかのショッピングセンターでトークンを交換(無料)しましょう。

交換時に持参するもの。

  • 使えなくなったトークン
  • バーコードのついたIDカード

トークン配布場所検索は → こちら

また、トークンを紛失した場合、一度は無料で再配布してもらえますが、2度目以降はS$9.00の費用がかかります。

 

開発の当初、GPSBluetoothの両者が検討に上がりましたが、GPS機能では違うフロアにいたとしても同じ場所を指し示してしまう、などいくつか問題があり、「どこ」ではなく、「だれ」を重視したアプリ開発に至ったそうです。
GovThec:TraceTogether – behind the scenes look at its development process

 

このアプリ、2020年3月にはリリースされていました。

当初は導入者数が少なく、効果を発揮できなかったようですが、スマホを持っていない人向けにトークンの配布を始め、今は90%以上の人が利用可能な状況です。

トゥ
トゥ

シンガポールすごい

タイトルとURLをコピーしました