2022年1月1日から、トレー返却義務化スタートです。
シンガポールのホーカーセンターはもちろん、フードコートやコーヒーショップでも、食べ終わった後の食器やトレーを返却場所へ戻さねばなりません。
さもないと、罰金・・かも!?
ホーカーセンターでのトレー返却は義務です
2021年の初めに、シンガポールの国家環境庁(NEA)は、シンガポールの食環境を、清潔で衛生的にするための行動を、個人そしてコミュニティでなっていくことを目的として、「テーブルクリーンキャンペーン」をスタートさせました。
そして、自分が使った食器の返却とゴミの片付けを、規則としました。
違反した場合のペナルティは、
- 1回目:書面による警告
- 2回目:300ドル(24,000円)の罰金
- それ以上:最高2,000ドル(160,000円)の罰金
となっています。
ホーカーセンターについては、今のところ、違反による罰金を払った人はいないそうです。
(書面警告を受けた人が、1人いるらしいです)
食器を返却する人の割合も、以前の3人中1人から、5人中4人へと、確実に増えている状況。
近所のホーカーセンターのテーブルにはこんなマークも。
義務化警告前の勧告期間
ホーカーセンターで適用されていた規則ですが、今までは、フードコートとコーヒーショップでは、警告ではなく、監視員による勧告でした。
この間、7,000人以上の飲食客が注意を受け、そのほとんどは、返却に応じたそう。
返却場所の設置も、これまでは施設全体で20%だったものが、今は99.6%とほぼ全ての施設に設置されました。
返却トレーの準備や場所の設置など、施設側に負担もありますが、清掃員の作業が少なくなったことで、
- テーブルの清掃により力を入れられる
- テーブルの回転が早くなり、より多くのお客が利用できる
などの、メリットも実感出来ているそう。
利用する側としては、この考え方は大歓迎です。
次の取り組みはフードロス削減
トレー返却義務化が進む中、11月に、食品廃棄物で発電する仕組みの試験運用が始まりました。
試験運用が行われているのは、ホーカーセンター「イーストコースト・ラグーン・フードビレッジ」。
NEAとシンガポール国立大学(NUS)と国立公園管理局(NParks)との共同プロジェクトです。
(Photo NUS)
導入されているシステムは、「嫌気性消化システム」。
嫌気性消化とは、酸素が無し(嫌気性)で行われる有機物の生物分解のことです。
この場所が試験運用先として選ばれたのは、ある程度の設備設置スペースが必要で、燃やした後の堆肥を利用できる場所(イーストコースト・パーク)が近くにあるのが、選ばれた理由です。
実際に、イーストコースト・ラグーン・フードビレッジには屋台が約60あり、毎日150Kgもの生ゴミが発生しているそう。
嫌気性消化システムを使って発生したエネルギーは、
- システム自体の電力
- 一般利用者用の携帯電話充電ステーション2ヶ所
- イーストコースト・ラグーン・フードビレッジの扇風機31台(あれば)
を動かせるそう。
燃えカスからできる堆肥については、イースト・コースト・パークで利用されるようです。
このプロジェクトでは、関係する人々が行動に意識を持てるよう、ポスターや張り紙なども準備しています。
- 食事をした利用者が使用済みの食器を返却
- 清掃員が生ごみを他のごみと分別
- 生ゴミを嫌気性消化システムで処理
- そのエネルギーを利用
新しくスタートした、食器トレーの返却義務は、人が地球と共存するための小さな一歩なのでした。