食べ終わった食器を片付けないと罰金です。
シンガポールの食堂街、ホーカーセンターやコーヒーショップ、フードコートの全てで、使用済みの食器やゴミの片付けを義務付ける規則が、2022年より施行されます。
これまで
ホーカーセンターなどは、National Environment Agency(NEA:国家環境庁)によって管理されています。
(ホーカーセンターの食事で使われる、お皿やカトラリー・グラスなど)
そのNEAが、今年の初めに、
「テーブルクリーンキャンペーン」
を開始しました。
シンガポールの食環境を、清潔で衛生的にするための行動を個人、そしてコミュニティで行なっていくというものです。
具体的には、この3つの行動を、利用者に呼びかけたのです。
- 次の人のためにテーブルを綺麗に利用する
- 使ったティッシュやウエットタオルなどの片付け
- 食べ終わった食事トレーは返却場所へ
ホーカーセンターやフードコートでは、食事後、使った食器を片付ける人は少数派でした。
食べ終わった食器はもちろん、食べかすも周りに散らかってそのまま・・という景色はよくあることでした。
清掃をしてくれる人がいるので、最終的には片付けられますが、しばらくそのままで放置されることも多く、鳥が残飯を漁ることもしばしば。
特に衛生面で、問題視されていたようです。
9月1日より規則施行の予定でしたが・・
5月半ば、テーブルクリーンキャンペーンに続いて、新しい規則についてNEAのアナウンスがありました。
9月1日より、食事後の、トレー返却義務に違反した人に対し、
- 1回目:書面による警告
- 2回目:300ドル(24,000円)の罰金
- それ以上:最高2,000ドル(160,000円)の罰金
を科すというものです。
6月から8月の間は、助言期間として監視員による注意喚起に止め、その後、本格的な規則の施行を予定していました。
参考:The StraitsTimes
Mandatory for diners to return trays and clear table litter from June 1
ところが、新型コロナの陽性者数増加により、そもそも外食禁止の状況となる中、フードコートとコーヒーショップに関しては、この規則適用が後ろ倒しになったのでした。
その、後ろ倒しになっていた規則の施行が来年からと決まりました。
ホーカーセンターのみ、9月からこのルールが適用されています。
2022年1月からトレー返却の規則が始まります
実際、テーブルクリーンキャンペーンがスタートした当初と比較すると、食器トレーの返却率は、約30%から約65%にアップしたようです。
規則が適用されない、例外もあります。
トレーを自分で戻すのが難しい人(高齢者や幼児)です。
NEAはそれについても、Q&Aで明記しています。
参考:The StraitsTimes
Enforcement of table clearing at coffee shops and foodcourts to start next year
皮肉なことに、新型コロナの流行は、この規則施行の後押しとなりました。
シンガポールは、公共設備の利用で、新型コロナ感染のクラスターが発生し、公衆衛生の重要性について、身を以て経験することになったのでした。
長年の懸念事項が解消されるのは、喜ばしいこと。
何せ、セルフサービスの概念が身につくことによって、
- 清掃員の人手不足解消
- 清掃費用カット
- 清掃員の新型コロナ感染リスク減(清掃作業員には高齢者が多いのです)
など、メリットが多いのですから。
公用語が4つあるシンガポール、トレー返却のポスターも4つの言葉(英語・中国語・マレー語・タミル語)で作成されていました。
参考:NEA

日本人には馴染み深い「セルフサービス」。
シンガポールでは、それほど浸透していなかったということですよね!?
(ハラール・ノンハラールで返却場所が分かれています)
*ハラール:イスラム法において食べるのが許されているもの