切り花を長持ちさせるには?
何と言っても水揚げです。
お花屋さんで購入した場合は、水の中での切り戻しと花瓶の水の毎日の交換でしょうか。
特に、暑いシンガポールでは、花瓶の水を変えてあげることが大事な気がしています。
蘭の切り花を買ってきた
先日、タングリンモールへ出かけました。
私の好きなモールの一つです。
こじんまりしていて回りやすいし、雑貨類も色々置いてあるけれど、クリーニングからスーパーまで、生活に必要なお店もしっかり入っています。
ここに来れば、殆どの用事は済ませることができます。
そんなモールで、何人かの人が切り花を抱えて、地下から上がってくるではないですか!

え、ここに良い切り花が売っているのかしら!?
早速向かいます。
地下には素敵な花屋さんもありますが、それよりは、もっと自宅用・・の雰囲気の花を抱えています。
他に考えられるのは、Cold Storageが展開しているちょっと高級志向のスーパーマーケット、「Market Place」。
有りました。野菜売り場のお隣です。
自宅用にぴったりです。早速買って帰ってきました。
(ピンクのデンファレとバンダ 合計S$10.50 / 800円)
さあ、急いで花瓶に生けましょう。
植物は水をどうやって吸い上げるのか
花瓶に行ける前に、植物が水分をたくさん吸えるよう、水揚げをしないと。
実は、植物が根から水を吸う仕組みは「浸透圧」によるものなのです。
土中の水分より、植物の水分の方が、水に含まれる物質の濃度が高いため、薄い濃度の水(土中)から、濃い濃度の水(植物)へ、水分が移動します。
これが、植物が、土から水を吸い上げる仕組みです。
根がない切り花も仕組みは同じです。
根の場合は、根が土の中で細かく広がっている分、水分を吸収する面積が大きくなります。
一方、切り花だと、その切り口からしか水分を吸収できず、いかに効率的に水の吸収を促せるか・・と言うことが、花を長く楽しむ為の、重要ポイントになってきます。
そして、根圧(水分が上部に上がっていくこと)と蒸散(葉の気孔から水分が蒸発すること)、水の凝集力(水の分子がお互いに引き合おうとする力)によって、根から吸収された水分が、道管を通って植物の上部に到達するようになっています。
水揚げの方法
植物が水を吸う仕組みが何となくわかったところで、水揚げ(切り花に水を吸わせる)についてです。
市場で購入した時や、家に持ち帰った花に元気が無かった時に行う方法です。
- 水切り
家庭でやるなら一番簡単な方法です。
茎を水中に沈めた状態で、1~2センチカットします。
吸い口の面積を広くする為、斜めにカットします。
花屋さんでは、カット面を広くする為、フローリストナイフを使ったりします。
(左はナイフでカットした茎)
- 湯切り
花部分は新聞にしっかり包み、90°Cの熱湯に茎を1~2センチ付けます。(10秒程度)
湯を使うことで、雑菌の消毒になり、熱で膨張した水分は、道管の空気を排出します。
- 十字に切り目を入れる
枝物は水の吸い上げがよくないので、吸い口面積をできるだけ作ることが必要です。
その為、枝を十字にカットします。
- 叩く
細い枝物で十字の切り目が入れずらい場合、木槌などを使い、茎の部分を叩き潰します。
これら以外にも水揚げの方法はありますが、家庭で実際にやる機会があるのは、このくらいかと思います。
水揚げ以外に必要な花の手入れ
水揚げが済んで、花瓶に飾った後も、手入れは必要です。
- 雑菌が繁殖するので花瓶の水は毎日変える
- 時々切り戻しをして吸口が綺麗な状態を保つ
- 水に浸かっている茎部分を洗って滑りをとる
- 水替えの際には花瓶の内部も洗う
- いたんだ花は取り除く
冬場は、花瓶の水を毎日変えなくても大丈夫だったりします。
花瓶ではなく、オアシスを使ったアレンジの場合は、オアシスの水が乾かないよう、水分を補充します。
また、葉や茎の部分に霧吹きで水をかけます。(花弁がしっかりした花の場合は、葉と同様に霧吹きで水をかける)
そして、お花の栄養剤も、花を長く楽しむ為の秘密兵器の一つです。
シンガポールで切り花を長く楽しむ
水揚げの方法を色々書きましたが、シンガポールで切り花を長く楽しむのに大事なことは、何と言っても水をこまめに変えることかなと、思っています。
30°Cの気温は、流石に雑菌が繁殖しやすいです。(エアコンのきいたお部屋なら少しはいいですが)
どちらにしても、蚊の発生のこともあるので、
過去投稿 → 国家環境庁の職員がやってきた! デング熱対策抜き打ち検査
花瓶の水は毎日変えたいです。