孔雀はどこへ行ってしまったの?
リトルインディアのメインロードに施されていた電飾は、ポンガルフェスティバル(収穫祭)仕様に変更されていました。
クジャクから牛へ
孔雀が牛になってる!
一月の半ばに、買い物でリトルインディアへ出かけました。
すると、「孔雀」が描かれていたメインロードの装飾が、「牛」になっていました。
(ディーババリ時 中央に孔雀)
(現在、中央に牛)
しかも、平日なのに人が多い。
サトウキビと丸い鍋
道路を歩くと、これまでとはちょっと違う様子です。
まずは、サトウキビが目に着きます。
そのサトウキビは、門松の様に、入り口の両脇に飾られています。
それだけでなく、一緒に葉のついた生姜(ウコン)も。
あとは、丸くてカラフルなつぼ。
普段の食器というよりは、明らかに儀式に使いそうな感じです。
他にも、コラムと呼ばれる、米粉などを使って地面に描かれる飾り絵の跡もありました。
ちょうど、インドの収穫祭だったのでした。
ポンガルは南インドの収穫祭
一月半ばは、タミル暦では、タイ(Thai)月(1月半ば〜2月半ば)の始まり。
このタイミングで、開催されるお祭りがあるのです。
(タミル暦:太陰太陽暦、4月中旬が新しい年の始まりとされている From Wiki)
そのお祭りは、ポンガルフェスティバル。
南インドのタミル地方で行われる、4日間の収穫祭です。
インド神話の太陽神(スーリヤ)に収穫を感謝し、春を迎えるためのお祝いでもあります。
新しい土鍋で、牛乳でお米を炊き、沸騰した牛乳を鍋から溢れ出させることで、繁栄と幸運がもたらされると言われています。
(Photo:Indian Heritage)
タミルの人にとっては、11月のディーパバリ(光の祭典)より重要な行事のようです。
2022年のポンガルは、1月14日〜17日。
4日間の流れは、この様になっています。
初日:ボギ・ポンガル
古い衣服や資材を焼き捨て、新しい年の始まりのために、家を掃除します。
まるで、日本の大晦日の様です。
2日目:スーリヤ・ポンガル
太陽に感謝する、タミル暦タイ月の1日。このお祭りのメインデーでもあります。
牛乳とお米を沸騰させ、「ポンガロ・ポンガル!」(ご飯が沸騰するの意)と叫びます。
門松みたいなサトウキビを飾るタイミングもここです。
3日目:マトゥ・ポンガル
インド文化で神聖な動物であり、収穫の季節に重要な役割を果たす牛を敬う日。
絵の具や花、鈴で飾られます。
最終日:カーヌム・ポンガル
人々は親戚や友人を訪ね、収穫を支えてくれた親族や友人に感謝すると共に、祭りの季節を楽しみます。
リトルインディアにある、インディアンヘリテージセンターでも、イベントが行われていました。
(Photo:Indian Heritage)
https://www.indianheritage.gov.sg/pongalo-pongal/index.html
なるほど。
私が見かけたサトウキビやツボは、収穫祭で必ず使われるアイテムだと判りました。
よく見れば、頭上の牛さんの模様脇にも、ツボとサトウキビが描かれていました。
参考:
https://www.roots.gov.sg/ich-landing/ich/pongal
この時期、中華街は旧正月で盛り上がり、リトルインディアは収穫祭で盛り上がっています。
地下鉄、リトルインディア駅からチャイナタウン駅まではわずか3駅。
距離にして、約3キロ。そんなに近いのに、街の雰囲気は全く違いました。
多民族国家って、本当に興味深い