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銀行間の円決済は日本の中央銀行、日銀で行われています

IT

IT会社勤めの時、金融機関の決済システムの仕事をしていました。

円決済システム」「国際決済システム」「CLS決済システム

私たちの普段の生活とは関係が薄いようですが、実は結構関わりがあったりします。昔の話ではありますが、10年以上もやっていたお仕事でもあり、なんとか簡単にですが、まとめてみることにしました。

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職種転換した直後のプロジェクトとその時代

前置きがちょっと長くなりますが、時代背景についても書こうと思います。

新卒で入社した会社は事務職で採用されました。
その当時はまだ男女雇用機会均等法が施行されてから年月が浅く、女性は事務職のみ募集でした。
(男女雇用機会均等法は1985年に制定され、1987年より施行。その後も、セクハラ:セクシャルハラスメント・マタハラ:マタニティーハラスメント・男性差別・パワハラ:パワーハラスメント・・と現在に至るまで法改正が継続して行われています。)

その後、社内での平等性を保つために、女性の職種転換の大々的な募集がありました。

 

その時、1人のプロジェクトリーダーが言いました。

今の仕事内容なら、そのままでも総合職になれるよ。

事務職ではありましたが、部内の事務処理をする側、テストデータの作成やデータのバックアップなどの仕事もしていたのです。

トゥ
トゥ

そうなの?
お仕事そのままで、お給料が上がるのであれば、それに越したことは無いでしょう。

 

部の慢性的な人員不足などもあり、無事、総合職へ転換することとなりました。

 

ここから本題です。
総合職として参加した最初のプロジェクトが、金融機関の「円決済システム」の追加開発でした。それは、総合職になることを進めてくれた人のプロジェクトです。

円決済とは?

円決済システム?わかる様なわからない様な・・。

決済といえば、渡す側と受け取る側の取引が執行されること。そこに円がくっついているので円(お金)の取引執行です。

私たちの身近なところで、振り込みの処理について考えてみます。

例えば、「A銀行の私の口座から、任意継続している健康保険の今月分を、B銀行の健康保険組合の口座に振り込む」ケースです。

私は、窓口かATMか、はたまたネットかで振り込みを行います。
どの方法にしても、相手先の口座番号金額を指定して実行するだけです。

でもよく考えてみてください。その先、どうやってお金は移動するのでしょう?

円の決済は日銀で行われている!

双方とも同じ銀行に口座があれば、銀行内で金額を付け替えるだけで済みます。ところが、異なる銀行間でのお金の受け渡しとなると・・・。

A銀行がB銀行に口座を持っていれば、その口座を使ってもいいかもしれません。
しかし、銀行はたくさんあります。全部の銀行がそれぞれにお互いの銀行の口座を持つ・・というのは現実的ではありません。そこで、日本の中央銀行である日本銀行(日銀)に各銀行は当座預金口座を保有し、日銀の中で金額の移動(付け替え)を行なっているのです。

つまり、円の決済は日銀で行われているということです。

日銀は国の銀行なので、信用力は最高です。国が破綻しない限り、日銀もつぶれることはありません。
そこなら、お金を置いておくのも安心です。

日銀ネットと接続して取引執行

日銀は、金融機関からの取引依頼を受け付けて処理するためのシステムを構築しています。

このシステムが「日銀ネット日本銀行金融ネットワークシステムです。

各金融機関は日銀ネットへ加盟することで、円資金の決済を可能としているのです。
日銀は日銀ネットへ接続するためのルールや手順、取引電文のレイアウトなどの細かな仕様を提示しており、各金融機関はその提示された決まり事を実装したシステムを構築するのです。

一度システムを作ってしまえば、そのシステムをずっと使い続けるだけでいいんだっけ?
いえいえ、そういう訳にはいきません。

ニーズの変化やセキュリティの強化など、システムは常に改良が加えられているのです。
日銀ネットのに変更があれば(これを仕様変更と言います)もちろん、金融機関側がこの変更に対応したシステムに変更するのは必須です。
ここまでできたら終わり・・とはならない世界です。

 

ここでは、お金の移動(資金決済)についてのみ言及していますが、国債の取引も、このシステムを介して行なわれています。

円決済が日銀ネットならば、それ以外の通貨ももちろん・・

円の決済が日本の中央銀行で行われるならば、それ以外の通貨の決済も、それぞれの中央銀行で行われますよね?
そうなのです。

主要国の中央銀行が管轄する資金決済のシステムにはこんなものがあります。

  • アメリカ
    連邦準備銀行が運営する「Fedwire」(フェドワイヤー)
    (アメリカには他に民間のCHIPSという銀行間の資金決済のシステムもあります)
  • 欧州単一通貨のユーロ
    ECB(欧州中央銀行)運営の「Target2」(ターゲット2)
  • イギリス
    BOE(イングランド銀行)管轄の「CHAPS」(チャップス)

 

円以外の通貨が出てきたということは、さらに一歩進めて異なる通貨間の決済「外国為替」の方はどうなのでしょう?

例えば、私がシンガポールで使っている日本で発行したクレジットカード。
シンガポールドルの品物を円で買いますが、私がやることは、暗証番号に緑のボタンを押すだけ。

円決済で日銀ネットが出てきたように、外国為替でもありますよね!?資金の移動をサポートするシステム。

はい、それが SWIFTを使った「国際決済システム」です。

私の「円決済システム」の追加開発プロジェクトが終了した後の、次のお仕事です。

 

社会人歴が長すぎて、話はいつまで続くのでしょう💦。続きはまた、にいたします。

この決済関連の話は、CLS決済システム」Continuous Linked Settlement: 24時間営業の銀行 時差による為替決済リスクを排除するために設立)、まで書けたら完結する予定でおります。

みなさま、もう少しお付き合いを。

 

肝心なことをまだ、書いていませんでした。

総合職へ職種転換してどうだったか?

トゥ
トゥ

思っていたのと、全然違った!
(今でも、あの時騙されたんじゃ無いかしら・・? と思ったりします。)

仕事はさらに難しくなり、何しろ自分の時間がずいぶん少なくなってしまいました。

それでも、様々な経験が出来たこと、周りの人に沢山助けて頂けたことに、本当に感謝しています。

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