シンガポールのインフレ率、徐々に上昇しています。
最近の市場でのお買い物で、気になる時があります。
去年の暮れには、バス代もちょっと値上がりしました。
そんな市場環境下で、シンガポールの中央銀行(MAS)も、異例のタイミングで金融引き締めを決定しています。
*本日はフラワーカテゴリー投稿日でしたが、別カテゴリーで投稿します。
市場の買い物
最近、市場で買う卵がちょっと値上がりしました。
いつも、10個入りを S$2.8 程度で、買っていました。
ところが、最近の買い値は、S$3。
卵のサイズや産地など、値段を左右する要素はあるものの、これまで買っていたものと同程度の卵です。
おじさんのところで買う鶏肉も、少し値段が上がっていました。

インフレなのね
と、思ったのでした。
経済指標 インフレ率(CPI)
2022年1月24日に発表された、2021年12月のシンガポールのインフレ率(消費者物価指数:CPI)(前年度比)は、市場の事前予想を上回る数字となりました。
経済指標 |
CPI前年比 |
コアCPI前年比 |
2021年12月結果 |
4% |
2.1% |
2021年12月予想 |
3.7% |
– |
2021年11月改定値 |
3.8% |
1.6% |
予想では、3.7%の上昇だったのが、前月の3.8%も超え、4%という結果に。
過去のCPIの推移を見てみても、今回の数値は過去5年でも最も高い数値。
(Data:マネックス証券 赤字:結果 青字:予測値)
最後に4%台だったのは、2013年の春ごろだったので、それ以来の大きさです。
MAS金融引き締め
CPIの発表があった翌日(1/25)、MAS(シンガポール金融管理局 中央銀行)は、金融引き締め政策を発表しました。
(金融引き締めは、中央銀行が物価を安定させるために実施する金融政策の一つ。市場に出回るお金を減らすことで、経済活動の動きを抑制し、加熱した景気を抑える意味があります。)
通常、MASがシンガポールの金融政策について発表をするのは、4月と10月の年に2回。
1月の発表は、市場にとっては想定外。
インフレリスクを、改めて意識することとなりました。
MAS Monetary Policy Statement – January 2022
シンガポール政府の決断とその速さは、コロナ対策で十分体感しています。
それに倣い、金融政策も先手を打って、対応しているのでしょう。
バス代値上げ
もう一つ、身近に値上げされたものがありました。
バス料金です。
バス料金は、元々日本と比較するととても安く、料金を気にせず利用していました。
それでも、賃上げのニュースは、気になります。
シンガポールの公共交通機関評議会、PTC(Public Transport Council)は、公共交通機関の運賃と決済のサービスを手掛けている機関です。
そのPTCが、バスの料金の改定を行うと発表したのです。
その前年は新型コロナの影響で、料金据え置きとしていたので、2年ぶりの賃上げになります。
- 大人料金が 3〜4 セントの値上げです。
- 学生やお年寄り、障害者などは1セント。
- 通勤定期やキャッシュ払いの場合は、不変です。
(Data:PTC)
バスや電車の乗車には、EZ-Linkというチャージ形式のカードを利用しています。
ほぼ料金を気にせずに、公共交通を利用しているので、賃上げの実感なく、バスを利用していました。
為替も円安で・・
インフレ以外に、シンガポールの物価が上昇したと、感じてしまう要因がありました。
為替です。
シンガポールドルと円の為替レート、この一年の推移を見てみます。
(Data:TradingView)
急勾配な右肩あがりの線ですが、
- 2021年1月28日: 1シンガポールドル = 78.4円
- 2022年1月28日: 1シンガポールドル = 85円
およそ8%近くも円安に。
この数字を元に、卵の金額を計算してみると、S$2.8の卵は、 196円 から 212円 になっています。
そこに、シンガポール内でのインフレ分を加えると、255円となりました。
割高になったと感じる、今日この頃です。
(お給料はシンガポールドルで受け取っているので、円安はシンガポールに住む身からするとありがたい。)