旧暦7月 地獄の門が開いてハングリーゴーストがやって来た!?

シンガポール生活

旧暦の7月、シンガポールは、ハングリーゴーストフェスティバルです。

この一月は、お供えやお祈りをして、霊たちの機嫌を損ねないよう過ごすそうです。

その為に、やったらいけない事もいろいろある様で。

 

それにしても、ハロウィーンは知っていますが、ハングリーゴーストは知らなかった。
調べてみたら、最終的には日本のお中元にまで行き着きました。

 

*本日はパンカテゴリー投稿予定の日ですが、昨日(2021年8月22日)はゴーストデー(Ghost Day)だったので、シンガポール生活カテゴリーの投稿です。

ドラム缶の脇にお供え

最近、あちこちで御供物を見かけます。
住宅の敷地内にあるドラム缶の脇に、お線香や食べ物が置いてあるのです。

トゥ
トゥ

これは一体何かしら?

と、言うことでググってみました。

 

すると、シンガポール版のお盆の様な、「ハングリーゴーストフェスティバル」が出て来ました。
ふわっと訳すと、「はらぺこお化け祭り」

ハロウィーンは馴染みがあるけど、はらぺこお化け祭りは聞いたこと無いです・・。

ハングリーゴーストって何?

道教や仏教では、旧暦の7月2021年は8月8日から9月6日に地獄の門が開き、さまよえる霊ハングリーゴースト=空腹の霊が、この世に食べ物やエンターテイメントを求めてやって来る・・と信じられています。

この期間を、ハングリーゴーストフェスティバルと呼んでいます。

 

具体的には、あの世からやって来た霊に対し、御供物をしてお祈りをします。
道教と仏教では、捉え方は違う様で、

  • 道教の場合: 縁者の居ない霊をなだめる
  • 仏教の場合: ご先祖様の供養

の意味を持っていると思われます。

 

ご先祖様や亡くなった人の霊を思い、お祈りを捧げる儀式。
ここは、ふわっと日本語訳ではなく、「ハングリーゴーストフェスティバル」そのままにするのが良さそうです。
「空腹の幽霊祭り」にしても、日本語の響きは少し怖いし。

 

この儀式、東南アジアの中国人コミュニティの間の風習の様で、マレーシアやインドネシア、台湾、香港でも見られるそうです。

この期間にする事

この期間、ハングリーゴーストのいたずらを防いで満足してもらう為に、お線香を焚き、食べ物や飲み物を捧げます

(この後は、清掃の人が片付けています)

 

その他に、ゴーストがあの世で使うための、紙で作ったお金や衣類・車・家などドラム缶で燃やします

(燃やすための、中元セットも売っています)

 

また、中国オペラも上演されます。
その際には、客席の最前列は必ず空席に。そう、その列はゴーストのための席になります。

15日目はゴーストデー(中元節)

地獄の門が開いてから15日目ゴーストデー(中元節)

中元は、中国にある三元(上元節(春)、中元節、下元節(秋))のうちの一つ。
人類の運命を司る3人の神の中の、「天官大帝(地獄の帝:罪を赦す(赦罪)徳がある)の誕生日」であります。

そのため、中元節は霊にとっては特に、重要な日として考えられています。

 

さらに、この日は中国仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)でもあります。
供物を捧げ、祖先のために祈るという中国での習慣の起源と考えられています。

この盂蘭盆会が、日本に入って来て、お盆に供物などの贈り物をする習慣となり、「お中元」となったと考えられているそう。

この期間にやってはいけない事

ハングリーゴーストフェスティバルの間、避けるべきことがいろいろ書かれていました。

 

例えばこんなこと。

  • 暗くなってから外出しない(悪い霊にぶつかる)
  • 水辺に近づかない(水の幽霊に引き込まれる)
  • 御供物や灰を踏んだり、祭壇の下を覗き込んだりしない(霊が怒る)
  • 赤い服は着ない(赤は霊を引き寄せる色)
  • 洗濯物を夜に干さない(霊が服を着て家に入る)
  • (または昆虫)を殺さない(ご先祖様の霊かも)
  • お箸を縦にしてご飯にささない(お線香と間違える)
  • 麻薬やアルコールを飲む(酔っ払った人はとりつきやすい)

 

これらを見てしまった後は、内ベランダで回していた乾燥機に入った洗濯物、忘れずに取り込んでいるのです。

後は、最終日までまだ半月ほどあるので、御供物を間違って踏まない様、気をつけて歩くことにします。

 

参考:Zhong Yuan Jie (Hungry Ghost Festival)

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