長屋のような作りの、カラフルな建物が素敵です。
プラナカン建築のショップハウスです。
1800年代半ばから1900年代半ばにかけて建てられた、店舗兼住居の建物なのです。
プラナカンとは
プラナカンとは、15世紀後半から、数世紀に渡って東南アジアに移住してきた中華系移民の子孫のこと。
現地の住民と結婚し、中国文化に、マレー文化そして西洋の文化を取り入れることで、独自の文化を確立しました。
その文化は、生活用品や料理、言語に建築といった、様々な場面に反映されていました。
東南アジアに散らばったプラナカンの人々ですが、中でも、シンガポールに住む人々は、西洋文化の影響を強く受け、エリート層を形成していたそう。(Wikipedia)
その文化の特徴は、カラフルな色使い。
雑貨や食器はもちろんですが、建築物にもその影響が出ています。
プラナカン建築のショップハウス
プラナカン様式の建物は、ショップハウスと言われ、一階が店舗、二階が居住スペースとなっているものです。(お金があれば三階建です)
ショップハウスについては、Singapore City Galleryに、説明の展示がありました。
それによると、主に1840年〜1960年代にかけての建築で、オーナーの趣味が建物の装飾に反映されたものだと。
(色とりどりの、タイル装飾が施されました)
<建築物の特徴の変遷>
- Early Style(初期)
1840年〜1900年
装飾は少なく、二階の窓は、一つまたは二つで構成。 - First Transitional Style(最初の変遷期)
収入の増加と技術の進歩で、建物には高さと装飾が加わります。
装飾タイルや小さなガラス窓なども取り付けられました。 - Late Style(後期)
1900年〜1940年
高価な材料が建築に使われるようになっていきます。
装飾にも力が入れられました。美しい柄のタイルや装飾のついた鉄格子などです。 - Second Transition Style(第二の変遷期)
1930年代
経済状況の悪化とともに、装飾なしのシンプルな建物となっていきます。 - Art Deco Style(アールデコ)
1930年〜1960年
シンプルで幾何学的なデザイン。 - Modern Style(現代的)
1950年〜1960年
ブロックからコンクリート、そしてより直線的な建物。
建設された年代で、建物の特徴が変遷があったのは、知りませんでした。
Singapore City Gallery
シンガポールシティギャラリーでは、シンガポールの過去50年の変遷を辿ることができます。
その内容や今後の展開などについて、映像やタッチパネルなども利用して展示しています。
建物の見学エリアは?
今現在、シンガポールでプラナカン建築が、まとまって存在している場所です。
- カトン地区
最もプラナカン建築が多く残されている地域です。
プラナカン料理のお店や、住宅を利用した見学施設などもあります。(トップの画像はこちらです)
- オーチャード エメラルドヒル
最新のショッピングエリアのすぐ隣に、趣のある通りがあります。
限られた時間で全てを見たい!という方には、オーチャードロードでショッピングついでに、エメラルドヒルへの脇道に入ってください。タイムスリップした様な街並みを見ることができます。
- チャイナタウン ニール・ロード付近
チャイナタウンの街自体もプラナカン建築ですが、その賑やかなところから少し外れた通りでもショップハウスを見ることができます。
(チャイナタウンの賑やかな一角)
プラナカンに関しては、あと二つ体験したいことがあります。
一つは、プラナカン博物館へ行くこと。
が、残念なことに、現在臨時休業中です。
コロナ以前にシンガポールに来た際(2019年12月)も、すでに休業中で、今現在もまだ開業していません。
あとは、プラナカン料理を食べること。
こちらは、お友達と出かける計画があるので、楽しみにしているのです。