日本では全く身近じゃない、イスラム教。
シンガポールでは、毎日触れる環境で生活しています。
立派なモスクのあるアラブ人街に、あちこちで見かけるハラールの表示、そして女性が頭にかぶるヒジャブ。
シンガポールが、多民族国家であることを認識させられます。
*本日は花関連の投稿予定日ですが、次回とします。
観光名所の一つアラブ人街
シンガポール観光の見所の一つ、アラブストリート界隈。
その中心には、シンガポール最大のイスラム寺院、「サルタンモスク」があります。
この辺り、カンポン・グラム地区はイスラム文化が色濃く現れた地域で、通りには、絨毯にランプ、布や香水瓶、もちろん雑貨類もと、足を止めずにはいられない様な、可愛くて綺麗なものがたくさんあります。
そんな通りの様子はというと、新型コロナ以前は活気があったものの、今は、とても静かです。
週末は人通りも多くなるのかもしれませんが、平日は閑散としていて。
モスクのすぐ近くの雑貨屋さんはクローズ。
お土産物が主の、アラブストリート沿のショップも、苦労している様でした。
それでも、異国情緒あふれる品々を見ていると中東の国にいる様な気持ちになります。
カラフルなランプが素敵。
絨毯やキリムもサイズを含め種類も豊富。
美しい布も。
その中でも、私が好きなお店は、テーブルクロスなどを扱うお店、「Dilip Textiles」。
コットン素材のハンドプリントの布は、柄の種類も多く目移りしてしまいます。
また、商品の保証などもしてくれており、値段も良心的。
アラブストリートに出かけたら、是非覗いてください。
アラブストリートの隣、ハジレーン(Haji Lane)もカラフルで元気のある通りです!
ハラールの表示
シンガポールに住むイスラム教徒は、人口の約16%。
イスラム教には厳しい戒律があり、普段の生活においても、その配慮がなされている場面を目にします。
その中でも身近なのは、食べ物に関することでしょうか。
イスラム法で許されている食材や料理を、「ハラール」と呼びますが、街のホーカーセンター(屋台街)の食器返却棚はハラールとノンハラールで分けられています。
(ハラールの料理を食べた後、食器はこちらの棚へ)
また、イスラム教徒は豚肉を食べません。
そのため、イスラム教徒向けのお店である、という「ムスリム」(muslim ムスリム:イスラム教徒のこと)の文字も見かけます。
こちらはムスリムの人が経営するバーガーショップ。
アップにすると、
ムスリムによる経営であることを表示しています。
そして、豚肉の扱いはなく、牛・鳥・ラムのみで、バーガーを提供していました。
ヒジャブも気になる
イスラム教徒であることがひと目でわかるのが、ヒジャブです。
女性が、頭からかぶる布のことです。
シンガポールの人口の16%がイスラム教で、その半数が女性と考えると、10%弱、10人に1人はヒジャブを着用していることになります。
実際、よく目にします。
ヒジャブの利用目的は、セクシャルな象徴と考えられる髪の毛を隠す為です。
キリスト教で、シスターはベールで髪の毛を隠しますが、考え方は同じではないかと。
ヒジャブに関しては、この8月に大きな発表がありました。
11月から、公的医療のイスラム教徒の看護師はヒジャブを着用して良い
今年の、ナショナルデーラリー(独立記念日の翌週に、国の主要な課題や政策について行われる首相の演説)で語られた内容の一つです。
これまで、患者側への公平性などを保つため、イスラム教徒の看護師のヒジャブ着用は認められておりませんでした。
そんな中、多くのシンガポール人がヒジャブを着用している人々の姿に慣れ、受け入れが容易になってきていることなどから、イスラム教徒にとって重要な、ヒジャブの着用を許可することとなった様です。
参考:
Muslim nurses in public healthcare allowed to wear tudung from November; policy will apply to 7,000 staff
(シンガポールではヒジャブではなく、マレー語のトゥドゥン:tudungと呼ぶのが一般的)
耳はすっぽり覆われているけど、どうしてるの!?
ヒジャブで何が気になっていたかって、「マスク」です。
シンガポールでヒジャブを着用する場合のマスクの付け方は、
- マスクをつけてからヒジャブをかぶる
- アジャスターを利用する
この2パターンの様です。
良く見れば、アジャスターも売っていました。
ああ、アジャスターを使ってマスクをしているのね!